翻訳者になるまで [fromVox]
私にとっての翻訳というお仕事について書いてみました。
- きっかけ
会社員時代に英会話の勉強をし始めたのが英語に興味を持つそもそものきっかけでしたが、当時は翻訳というものには全く興味もありませんでした。仕事上、英語ができれば何かプラスになるのでは?程度の考えで習い始め、英語の勉強の一つとして小説の訳書と原書を読み比べることを始めました。そして『英語のこんな表現が日本語でこんなふうに表現されている!』『この日本語は原文のニュアンスを表していないんじゃないか?』なんてことに気づき始めました。これが「翻訳っておもしろい!」と思い始めた最初です。
翻訳をメシの種にしようと考え始めたのは休職(病気療養)中でした。『私ってホントは何がしたいんだろう?』『今の仕事(ソフトウェア開発)は本当に私がやりたいことなんだろうか?』『そもそも私ってコンピュータに興味あるの?』…そういう疑問を持ち始め、翻訳にも興味があったので試しに通信教育で「実務翻訳のための英日コンピュータコース」を受けてみました。それまでに知ってて当たり前の知識となっていたコンピュータ関連の知識をもう一度基礎からおさらいしながら、同時に翻訳の作業を実際にやってみてどう思うか自分を試してみたのです。
そして通信教育修了後、私は会社を辞めてフリーランスの翻訳者になろうと決心しました。
- 最初の1年
最初は戸惑いばかりでした。自分が一日にこなせる量もわからず、単価も低く…。作業スピードも遅かったので普通の翻訳者さんがこなされる一日の量をこなそうと思うと何倍もの時間がかかってしまっていました。
最初の頃にお世話になった翻訳会社さんにはOJTのような形で、仕事をいただきながらいろいろなことを教えていただきました。会社を退職し、翻訳の仕事を始めて最初の一年間の年収は会社員時代の3分の1にも届きませんでした。
- やりがい
プログラマと翻訳業は一見全くかけ離れた仕事のように思えます。でも何かを作り出していく作業であることは共通しています。そして作る人間1人1人によってできあがるものもそれぞれ違うという点でも共通しています。
自分が思い描いたとおりにプログラムが動いてくれたときの達成感と同じように、翻訳も自分が原文を読んだときと同じニュアンスを自分の表現で言い表すことができたとき小さな達成感を感じることができます。
- 心がけていること
信頼性:
個人で仕事をし始めて真っ先に感じたことは、『信頼されるようにならなければならない』ということです。この仕事で何が一番大切か…、英語力、日本語表現力、技術知識はもちろん必要ですが、納期を守ること、与えられたスタイルガイドや用語集、指示を守ること、わからないことを正直にわからないということ、等々ごく当たり前のことではありますが、先方に『この人になら安心して仕事をまかせられる』と思っていただくことが命だと思っています。『次もこの人にお願いしよう』と思っていただけるように常に心がけて作業しています。
向上心・挑戦の気持ち:
IT関連の最新技術だけでなく、日頃から何事に対しても新しいことを吸収しようとする向上心、新しいことに挑戦しようとする前向きな姿勢を持とうと思っています。
スピードアップ、調査能力アップ:
こころがけていることというよりも、私の現在の課題です。これにより、翻訳の精度アップにもつながると思います。
- 今後
学校が外語学部だったわけでもなく留学経験や英語圏に住んだ経験もない私は当然、他の翻訳者さんたちに比べれば英語力はかなり乏しい。コンピュータの知識も今はまだ会社員時代の知識が残っていますが、コンピュータの世界は日進月歩。新しいことを勉強し続けなければどんどん古ぼけていきます。 IT分野で実務翻訳を続け、もっと向上していくためにはもっと努力が必要だと思います。
でもやりたいことをやるための努力は苦と感じることはなく、むしろ楽しく感じます。自分がやりたいことをやれる幸せを感じながら仕事ができるのは嬉しいことです。
<b>[いいですね]</b> <p>おじゃまします。nontaです。</p>
<p>会社に入ってから本格的に英語学習を始められて翻訳の仕事をされているということで、すごいなと思います。英語の日記も読ませていただいてますが、英語を書くことに苦手意識のある私としては、うらやましいです。「信頼性」が大事という点については、本当にそのとおりですね。ももさんの文章は誠実なお人柄が伝わってきます。</p>
by nonta (2007-05-04 20:23)
<b>[this is good]</b> <p>こんにちは。oceanbridgeさんの「技術英語」から参りました。</p>
<p>実は僕も一時期、在宅翻訳者を目指していました。</p>
<p>でも専門知識が何もないので、ひとまずは会社員として、わからないところは仲間や設計さんに質問しながら経験を積んでいます。</p>
<p>僕の職場では実際にモノを見て、「解釈」しながら書くことができます。コンピューターの世界だと「解釈」は難しそうですね。仕組みがわかってる人には「解釈」できるのでしょうか? </p>
by Hirosuke (2007-05-04 20:40)
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<p>★nontaさん、こんばんは。コメントありがとうございます(#^.^#) <br/>会社員の頃の私の英語力はヒドイものでしたよ。最初に受けたTOEICはたしか300点台だった気がします(^^;;;翻訳の仕事もほとんど英日で、日英は最近少しだけお仕事をいただける機会が出てきたので、なんとかせねば!と思っています。nontaさんのお話を読んでいると共通点がたくさんあって嬉しくなります。今後ともよろしくお願いします。 </p></blockquote>
by Momo (2007-05-04 21:00)
<br/>★Hirosukeさん、こんばんは。コメントありがとうございます(#^.^#) <br/>oceanbridgeさんのブログでよくお話を読ませていただいています。勉強になることがたくさんあります。いつもありがとうございます。私の場合、実際に自分がソフトを作る側だったので、マニュアルの文章が稚拙でも理解することはできました。でももうモノ作りから遠ざかって何年も経っているのでそろそろそれも難しくなりつつあります。実際にモノを見て「解釈」しながら書ける環境にいらっしゃるのは羨ましいです。これからも翻訳の仕事や英語学習をしていて気づいた点や感じたことを書いていこうと思っていますので、またご意見をいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
by Momo (2007-05-04 21:00)